ウェブマーケターの間でも、頻繁に話題にあがるブラックハットSEOとホワイトハットSEOですが、具体的な意味をご存知ですか?ブラックハットSEOは、Googleから禁止されているけれど、検索エンジンで上位表示しやすいという噂話やすでにブラックハットSEOは、ウェブマーケティングでは通用しないと明言されている方もいます。
一方で、ホワイトハットSEOこそが、ウェブマーケティングの基本的なスタンスだと聞くものの、検索結果で上位表示をすることができず、八方ふさがりになっているかたもいると思います。もしかして、下記のようなことをお考えではないですか?

  • そもそも、ブラックハットSEO って、どんな行為なの?
  • ウェブマーケティングにおけるホワイトハットSEOって、何なの?
  • ブラックハットSEOとホワイトハットSEOだったら、どっちが良いの?

もし、何か1つでも自分と思い当たることがある場合は、本記事を最後まで興味を持って読んでいただけると思います。今回は、ブラックハットSEOとホワイトハットSEOとは、一体どんなものなのか、結局のところ、ウェブマーケティングをするにあたって、どちらを選べば良いのかについて、解説します。

ブラックハットSEOって何?Googleから嫌われる行為って本当なの?

検索エンジン上の裏をかいた悪質なSEO技術を駆使して、ウェブサイトの検索順位を上げる行為をブラックハットSEOといいます。たとえば、記事コンテンツ自動生成ツールで、何千記事という記事を数秒で作成し、ワードプレスサイト上にアップロードして検索上位を狙う行為は、ブラックハットSEOに該当します。
他にも、検索エンジンのクローラーが訪問した際に、まったく別のページを表示させて、読み込ませるクローキングと呼ばれる行為や特定のキーワードを大量に利用して、検索上位を狙おうとする行為、低品質のバックリンクをメインサイトに送り、検索エンジン上で上位表示を狙う行為は、すべてブラックハットSEOに該当します。

ちなみに、クローキングに対して、このような見解を示しています。

クローキングとは、人間のユーザーと検索エンジンに対しそれぞれ異なるコンテンツまたは URL を表示することです。クローキングは、Google のユーザーが予想した結果と異なる結果をユーザーに提供するものであるため、Google のウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)への違反と見なされます。

クローキングの例としては、次のようなものが挙げられます:

検索エンジンには HTML テキストのページを表示し、人間のユーザーには画像や Flash のページを表示する。
ページをリクエストした User-agent が人間のユーザーではなく検索エンジンである場合にのみ、ページにテキストやキーワードを挿入する。
出典:クローキング

ハッカーが問題の所在を隠す際に、クローキングが利用されることがあるため、Googleは、厳格にペナルティの対象としています。

ブラックハットSEOによる禁止行為には、ペナルティが与えられる

ブラックハットSEOなどの違反行為は、Googleから非常に嫌われており、通常、ペナルティが与えられます。ペナルティがウェブサイトに与えられると、検索結果で上位表示できなくなります。
最悪の場合、検索エンジン上で、自分のウェブサイトを検索しても表示されなくなってしまうこともあります。ソーシャルメディアなどでも「ウェブサイトが、圏外に行った。」「ウェブサイトが消えた。」と報告している方がいますが、これは、Googleからペナルティを与えられたということです。ペナルティを与えられたウェブサイトは、Googleが情報を保管しているデータベースから、登録している情報そのものを削除するため、検索エンジン上に一切表示されなくなってしまいます。

ブラックハットSEO で騒がれるペナルティとは?

Googleは、ブラックハットSEOを行うウェブサイトの管理人に対して、ペナルティを与えます。そもそも、ペナルティとは、検索結果の順位を下げたり、インデックスを削除したりすることで、主に検索結果で上位表示できなくなる処置のことです。
このペナルティには、大きく2つの種類があります。それは、自動ペナルティと手動ペナルティというものです。ここで大切なのは、自動ペナルティと手動ペナルティでは、違反箇所の反応の表示の仕方が異なるということです。
手動ペナルティであれば、サーチコンソールを利用することで、違反箇所を確認することができます。しかしながら、自動ペナルティは、違反箇所を知らせる通知が来ないため、自力で問題箇所を発見し、仮説を立てて改善していく必要があります。

手動ペナルティであれば、利用できた「再審査リクエスト」ですが、自動ペナルティの場合は、利用することができません。そのため、クローラーの巡回を待って、インデックスしてもらうしかウェブサイトを検索上位に回復させる方法がありません。

ブラックハットSEOで自動ペナルティになったときの判断方法

今まで安定していたアクセスが急激に減り、ウェブサイト全体のトラフィックが激減した場合、何かしらのペナルティを疑った方が良いでしょう。サーチコンソールを確認して、ペナルティに関する通知が来ていなければ、検索エンジンにウェブサイトのドメイン名を入力して検索してみてください。
このとき、トップページが上位表示されておらず、まったく別のページが上位表示していた場合、自動ペナルティを受けていると考えて間違いないでしょう。

自動ペナルティになったときの解除方法

ペナルティを受けた原因がはっきりとしない自動ペナルティですが、改善方法がないわけではありません。自動ペナルティになるということは、少なからずウェブサイトの管理人も「なぜ、自動ペナルティを受けてしまったのか。」おおよそのけんとうは、ついているかと思います。
他人のウェブサイトのコンテンツをリライトして、質の低い記事やコピーコンテンツをオリジナルコンテンツのように振る舞いアップロードしているのであれば、間違いなくパンダアップデートのようなコンテンツに質に関する自動ペナルティです。
一方で、悪質なバックリンクを送り込んで、膨大な被リンクを獲得しようとしていたとするならば、それは、ペンギンアップ―デートのような被リンクの質に関する自動ペナルティを受けてしまった可能性が高いといえるでしょう。

このようなことは、ウェブサイトの管理人自体も、「いつかは、ペナルティを受けるかもしれない…」と分かってやっていることかと思いますので、これからは、心を入れ替えてウェブサイトの運営をしていくしか生き残る道はないでしょう。

低品質なコンテンツについては、すぐに削除してください。これからは、オリジナルコンテンツを継続して投稿し続けましょう。また、悪質なサイトを利用して大量の被リンクによるドメインパワーを送っているのなら、すぐに解除して消してしまいましょう。この点をしっかりと改善しない限り、いつまでたっても自動ペナルティは、解除されません。

悪意はないけど、ブラックハットSEOと判定されペナルティを受けた方へ

ウェブサイトを運営している人の中には、「自分は、ペナルティを受けるようなことは、まったくしていない!」といいはる方もいるでしょう。しかし、ウェブサイトの管理者本人に悪意がなくてもブラックハットSEOをしたとGoogleに判定されてしまうことがあるのです。

多くの場合、ウェブサイト管理者のSEOに関する勘違いなどから、そのようなことが発生します。Googleは、悪質なウェブサイトを追放するために、日々、アルゴリズムを変更しています。3ヵ月前に何ら問題のなかったSEOの手法が全く通用しないということが、これまでに何度もありました。

たとえば、現代だと、スマートフォンサイトを作らなければ、検索順位が下がってしまうというのがGoogleのアルゴリズムの常識となっています。こういった情報は、ウェブサイトの管理人として、Googleの公式発表でもある『ウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)』を確認して、最新のSEO情報を定期チェックするようにしてください。

ホワイトハットSEOって何?Googleが望むウェブサイトの管理方法

Googleが公式フォーラムで発表しているガイドラインにしたがって、適切にウェブサイトを運営することをホワイトハットSEOといいます。ホワイトハットSEOにもとづいてウェブサイトを運営するためには、最低限の基礎知識と『ウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)』と『検索エンジン最適化スターターガイド』の情報を参照しながら、作業を進めてください。
ホワイトハットSEOの具体的な施策としては、オリジナルコンテンツの公開やメタタグの最適化、優良サイトからの良質な被リンクの獲得などが挙げられます。

ホワイトハットSEOを実践するにあたって基本となる考え方

ウェブサイトの運営経験の少ない方にとって、Googleの公式ブログは、読みなれないということもあり、内容が少し難しいと感じるかもしれません。そのため、今回は、ホワイトハットSEOを実践していくにあたって必ず守っていただきたい基本となる考え方をピックアップしていきます。

  • (1)検索キーワードと合致するページを作成する
  • (2)ウェブサイトに掲載するコンテンツを、適切にGoogleに明示する
  • (3)良質な被リンクを獲得してウェブサイトの全体的な価値を高めていく

まず、ホワイトハットSEOでは、上記の3つのポイントを押さえてウェブサイトを運営していくことが大切です。Googleのアルゴリズムに反することのない適切な運営さえ行われていれば、特にペナルティを受けることはありません。しかし、ウェブサイトの管理人なら知っていて当たり前と思えることでも、当事者によって認知の仕方が異なりますので、具体的に1つずつご説明いたします。

(1)検索キーワードと合致するページを作成する

たとえば、「パソコン 修理」と検索エンジンで検索するユーザーは、「パソコンを修理したい人なんだな。少なくとも、パソコンが壊れて、困っている人だろう。」と、予測することができます。
他にも、「家庭菜園 キュウリ 植え方」なら、「家庭菜園をやっているけれど、夏野菜であるキュウリの植え方が分からなくて、困ってるんだろうな。キュウリの植え方を知りたいんだろう。」とキーワードから推測することができます。

このとき、コンテンツページに対して特定のキーワードを乱用することがないようにしてください。
キーワードを詰め込みすぎると、ユーザービリティが低下します。また、ランキングシグナルにおいても悪影響が出ることも分かっています。
Googleは、キーワードの乱用について、下記のような行為を禁じています。

キーワードの乱用の例としては、次のようなものが挙げられます:

実質的な付加価値のない電話番号の羅列。
ウェブページが特定の市町村や都道府県に関する検索結果の上位に掲載されるようにするために市町村名や都道府県名を羅列したテキスト。
同じ単語や語句を不自然に感じられるほどに繰り返すこと。
出典:キーワードの乱用

つまり、検索ユーザーには、検索エンジンを利用する検索意図があります。Googleは、ユーザーの検索意図を満たすことができるウェブサイトを上位表示するようなアルゴリズムが組み込まれています。そのため、キーワードとコンテンツが合致しなければ、キーワード単体で押さえても、いつまでたっても上位表示できません。

検索結果で1番目に上位表示したいのなら、必ず検索キーワードの意図を理解して、制作するコンテンツと適切な関係性が築けるようにしてください。検索エンジンに打ち込まれるキーワードは、検索ユーザーにとって「疑問を解決するための質問」であって、コンテンツは、その「解決策」です。この考え方がホワイトハットSEOの大前提となる知識です。

(2)ウェブサイトに掲載するコンテンツを、Googleに適切に明示する

ウェブサイト上で、どれだけ優れたオリジナルコンテンツを作成して公開しても、Googleに適切に明示しなければ、検索結果で上位表示をすることはできません。たとえば、現在、Googleのアルゴリズムによれば、FLASHコンテンツは、好ましいコンテンツではないとされています。
自分が優れたコンテンツだと思っていても、「Googleがこのコンテンツはダメですよ!」と明示しているのであれば、それに従わなければいけません。なぜなら、Googleの媒体を利用してウェブサイトに集客しているからです。
Googleは、検索エンジンに好ましいウェブサイトとして、コンテンツのマークアップの仕方について幾度となく言及しています。

コンテンツのマークアップの具体例として、下記の項目は、必ず意識しておきたいポイントです。

  • タイトルや見出し、パラグラフ、改行など、見やすさを意識したコーディングが大切である。
  • リンク先については、適切にアンカーリンクを用いて明示すること。
  • 画像情報を掲載する場合は、Altタグを用いて、コーディングをするなどの工夫をすること。(特に、ローカルSEOでは、このような施策が非常に大切。)
  • 画像である必要がないのであれば、テキストコンテンツでウェブサイトに掲載すること。
  • クローラーの欠点をつくようなコーディングをしてはいけない。

上記のように、守るべきポイントは、さまざま存在しますが、ホワイトハットSEOについて正しく理解し、適切な施策を打つことができているサイトは、まだまだ少数です。

ウェブサイトに記事コンテンツが数百記事入った段階で、ホワイトハットSEOによる施策を取り入れるために、全記事を修正するとなると、非常にコストも時間もかかるので、極力早い段階で、問題のある箇所を修正していくようにしましょう。

具体的な修正については、アクセス解析ソフトである「Googleアナリティクス」の数字を確認して、ウェブサイトへの流入の多いページから改善していくことで、コンバージョン数を効率よく上げていくことができます。特に、ページタイトルの変更は、ウェブサイト運営初心者の方でも修正しやすい部分ですので、適切なタイトルへ変更していきましょう。

(3)良質な被リンクを獲得してウェブサイトの全体的な価値を高めていく

検索ユーザーの疑問に答えられるコンテンツページを作成して、ウェブサイトを公開したからといって、ウェブ担当者の仕事が終わるわけではありません。ましてや、ホワイトハットSEOが完了したと考えるには、あまりにも早すぎます。

Googleのアルゴリズムは、ウェブサイトに掲載されているキーワードやその含有率、コンテンツのオリジナル性など、さまざまな視点で、検索結果におけるコンテンツのランキング化をしています。そのような検索結果を決める要素を、ランキングシグナルといいます。

このランキングシグナルは、「第三者からの評価」を非常に大切にしています。一部のSEO業者の中には、被リンク対策なんて、やってもまったく意味がいないと明言しているところもありますが、それは、あまりにも根拠のない考えだといってよいでしょう。
なぜなら、アクセスが安定して、人気のあるメディアほど、多くのウェブサイトで取り上げられて必然的に被リンクが増えていくものだからです。

ここまで、明確な指標をGoogleが検索結果に反映させないと断言することは、非常に難しいのではないでしょうか。被リンクは、今も昔も変わらないSEO対策で、重要視されるポイントとなっています。実際に、被リンクの数や質から下記のような評価を行います。

  • 良質なウェブサイトから多くの被リンクを獲得しているということは、信頼性の高いウェブサイトである。
  • 特定のページに、被リンクが密集しているということは、ウェブサイトに人気ページがある。
  • 同様のテーマを扱う関連性の高いウェブサイトからの被リンクが多ければ、コンテンツの信頼性が高い。
  • アンカーテキストに頻繁に利用されるキーワードは、ウェブサイトでも非常に重要なキーワードである。

このように、良質な被リンクを獲得していけば、Googleから必ず良い評価を受けることができますので、検索ユーザーの意図を理解した良質なコンテンツを作成して、被リンクの数を増やしていく必要があります。

根拠のないSEO対策を信じてはいけない

SEO対策について公開するウェブサイトは、必ず根拠を確認してください。たとえば、過去に「今後、被リンクの効果がゼロになる。」とSEO業者の中で、いわれていたことがあります。あれから数年が経過していますが、なにごともなかったかのように、「SEO対策では、被リンクが大切だ。」と明言しています。
誰かが発言したからといって、すべて信じ込むのではなく、「なぜ、そのように断言できるのか。その根拠は、一体何なのか。」について、常に問い続けるようにしてください。

こんな怪しいSEO業者さんは、要注意!

たとえば、インターネットの世界では、下記のような文言を頻繁に見かけることがあるかと思います。

「ウェブサイト立ち上げ後、初心者がたった1ヵ月で1万ページビューを達成!」
「どんなキーワードでも、上位表示させることができます!」

このようなSEO業界に対して、知見がなければ、すべて信じてしまう方もいるでしょう。たいてい、このような情報を提供するSEO業者は、悪質なSEO対策を利用したコンサルティングサービスを提示してきます。

たとえ、上位表示したいキーワードで検索結果の1ページ目を獲得できたとしても、ブラックハットSEOを使った方法であれば、周辺業者に知れわたって企業ブランドを傷つけてしまうこともあるので、業務を依頼する際は、細心の注意が必要です。

ブラックハットSEOとホワイトハットSEOなら、どっちがいいの?

ウェブマーケティング担当者の間でも、たびたびこの話題が登場することがあります。ブラックハットSEOとホワイトハットSEOなら、どちらの施策が良いのか、いろいろな方が議論をしています。

一般的な見解では、ブラックハットSEOが、Googleからも嫌われる悪の根源とされています。一方で、ホワイトハットは、自然検索で安定したアクセスが獲得できる万人におすすめできる方法だといわれています。

確かに、その通りなのかもしれません。今後、長期間運営していくウェブサイトにブラックハットSEOをかけると、あまりにもリスクが高くなってしまいます。検索エンジンのアルゴリズムも年々賢くなっていますので、ブラックハットSEOを実践しているウェブサイトは、すべて圏外に飛ばされる流れが発生しています。

ここで大切なのは、企業の信用性です。企業がウェブサイトを運営するとなると、個人サイトではないため、法人サイトとして、その所在を明確に記載しなければいけません。インターネット上でブラックハットSEOによる悪質な行為の数々が口コミとして広まってしまっては、非常に困るでしょう。

ホワイトハットSEOは、費用対効果や投資対効果、投資費用の回収期間などを、総合的に判断すれば、Googleの検索エンジン上で最も適切で効率の良い手段なので迷わずホワイトハットSEOを選びましょう。

ホワイトハットSEOを実践すれば、検索上位に掲載される

ホワイトハットSEOは、検索結果の1ページ目に表示されるまでに、一定の期間が必要となります。だからといって、ブラックハットSEOを実践するようなことがあってはいけません。
悪質なバックリンクを送らなくても、デザイナーさんにヘッダー画像やバナー画像、記事コンテンツで用いる画像をプロフェッショナルに制作してもらうなど、ブラックハットSEOを実践しなくても工夫できるところはたくさんあります。1日1記事のペースで質の高いオリジナルコンテンツを長年掲載していれば、必ず検索結果の1ページ目に掲載されるようになるので、諦めることなくホワイトハットSEOによる施策を貫き通してください。

ブラックハットSEOとホワイトハットSEOのまとめ

今後、ブラックハットSEOを利用したウェブサイトは、どんどん追放されていくでしょう。年々、検索エンジンのクオリティは上がっていますので、まじめにホワイトハットSEOでウェブサイトを運営していれば、圏外に飛ぶことを恐れることなく集客媒体として長く利用し続けることができます。
そのためにも、定期的に『ウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)』を確認して、自社のウェブサイトが適切な運営ができているのか、さまざまな視点から確認していきましょう。